ポケモン映画の成績から考えるエンターテイメントの方向性
先月から毎週気になっている統計がある。ポケモン映画の観客動員数だ。今年のポケモン映画「ディアルガVSパルキアVSダークライ」は、10作品記念ということで、テレビ東京なども力を入れ、映画の前売り券が前年の倍以上売れた。興収も50億に達するのではないかとも言われている。
9月に入り、そろそろ結果が見えてきたころなのだが、その数字を見て、意外に伸びてないな〜と思った。興収はギリギリ50億に達しないのではないかと思われるが、それよりも注目しているのは観客動員数だ。9月5日時点で450万人という数字は、過去5年間の中ではまちがいなくトップであり、今年の日本映画のトップクラスの数字となるであろうが、しかし1998年の第1作(654万人)、翌年の第2作(560万人)の数字には及びそうになく、かろうじて2000年の第3作(460万人)の記録を抜くかといった程度だ。
●参考サイト)ポケモン映画の成績あれだけテレビで宣伝して、おもちゃ売り場ではスペースを拡大し、食べ物から何からキャラクター商品が氾濫して、任天堂DSのゲームの人気もありながら10年前の記録に及ばないのは一体なぜなのだろうと考えてみた。
・・・多分その一番の理由は子供人口が減っているからではないかと推測される。いくら小学生にポケモンの人気があったとしても、小学生自体の数が少なくなってしまえば過去の記録に及ばないのは必然だ。
ウラをとろうと思い、統計情報を調べてみた。0歳〜14歳までの年少人口について、最初のポケモン映画が公開された1998年は1906万人であったのに対し、今年7月時点では1734万人にまで減っている。年少人口について1割減少しているわけだが、この影響は大きいのではないだろうか。
●参考サイト)日本の統計−第2章 人口・世帯もう一つ気になる要素がある。映像や音楽など、映画のクオリティーについては間違いなく現在のポケモン映画の方が10年前の映画よりクオリティーは高いのだが、逆に第1作に見られたような内容面での哲学的要素は薄くなっており、子供向けのわかりやすさに特化され、それが逆に世代を超えて広がらない要素になっているのではないか? つまり、映画を観た観客の評判が、世代を超えて更に別の観客を呼ぶという二次現象は発生しておらず、閉じられた世代の中でしか受け入れられていないのではないかということだ。ポケモン映画第1作「ミュウツーの逆襲」は特別であったと思うが、そこらへんが意外に伸び悩みの原因となっているのではないかと睨んでいる。
ちなみに日本映画の興行収入歴代第一である宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」(2001年)について、観客動員数は2340万人であった。今年のポケモン映画の5倍だ。
●参考サイト)「千と千尋の神隠し」関連ニュースポケモンと同じアニメーション映画で、エンターテイメント映画でありながら、「千と千尋の神隠し」は全ての世代に深く訴えかけ、世界で評価された映画であることを考えると、来年以降の作品が目指すべき方向性は自ずから見えてくるように思える。これはポケモンばかりではなく、レンジャーもライダーも同様だと思う。基本はエンターテイメント、しかし世代を超えて深く考えさせられる・・・そこらへんがポイントなんじゃないかな。
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