6月末日月曜夜、おなじみ鎌仲ひとみ監督のトークライブへ。前回は元LUNASEA ・SUGIZOさんがゲストということで、早々に予約は満席となり、参加を断念。今回は事前にゲストの紹介はなかったが、それでも会場 Naked Loft には、25名ほどのお客さんが集まった。
本日のお題は「エコ先進国・スウェーデン帰国報告会」。5/1 渋谷・アップリンク・ファクトリーレポで書いたように、監督は 5月後半からスウェーデン取材に出向き、同月末に帰国。エコ先進国スウェーデンで見たホットな情報が展開される。以下、トークの内容をかいつまんでご紹介。

本日のトークライブは番外編ということで、いつもとは異なり、前半は監督の一人トーク。その分、核兵器にちなんだ現代アートの映像 「OverKilld」 や、エンデの遺言の映像を紹介するなど、お客さんを飽きさせないよう、監督、いろいろと工夫を凝らしていた。
トークライブ最初のキーワードは「持続可能な社会」。スウェーデンで2番目に大きなNGOであるナチュラル・ステップ。そのナチュラル・ステップは、「持続可能な社会の条件」(4つのシステム条件)を提唱し、スウェーデン環境相や首相、地方自治体、産業界に訴えかけ、スウェーデンが環境先進国となる過程において、大きな役割を果たしてきたという。

ナチュラル・ステップが提唱する「4つのシステム条件」とは以下の条件。
(1)自然の中で地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない。
(2)自然の中で人間社会が作り出した物質の濃度が増え続けない
(3)自然が物理的な方法で劣化しない
(4)人々が自らの基本的ニーズを満たそうとする行動を妨げる状況を作り出してはならない
日本においてナチュラル・ステップが活動を開始した時、第一の条件を提示しただけで、当時の日本企業から拒絶されてしまったという。
一方、スウェーデンでは、持続可能な社会条件を提示したNGOの試みが大成功し、国レベルでのエコが進み、現在に至っている。バイオガスを使用したバス、ストックホルム市内の自動車規制、実験都市・ハンマービショスタッド、エコ住宅など、プロジェクターを介して豊富な写真や資料が提示され、エコ先進国の模様が紹介された。

化石燃料に依存しない社会が実現しているスウェーデン
日本に帰国し、ガソリンの高騰に大騒ぎしている社会を目の当たりにする監督。脱化石燃料が進んでいるスウェーデンからしてみれば、今ごろ何を騒いでいるのかと、クビを傾げられるであろうと話す。
ちなみにスウェーデンといえばハノイ・ロックス・・・な~んて言うのは俺やキャプテンだけど(笑)、ABBAの「ダンシング・クイーン」を思い浮かべる人は多いのではないだろうか? そのABBAが、ナチュラル・ステップ普及のために大きな役割を果たしたという。世界中で大ヒットした「ダンシング・クイーン」、今でも日本で大人気曲。「ダンシング・クイーン」の歌と音楽に乗せて、エコを広めていくってのもいいかもしれない。

今回のトークライブは、さながらエコ先進国・スウェーデンのプレゼンテーションといった趣であったが、実際に取材してきただけあって、監督の言葉には説得力があり、観客の関心を惹きつけた。恐らく参加した人々は、翌日から監督と同じように、エコ先進国スウェーデンについて語ることになるだろう。

大と小が分離されたトイレ。混ざるとエネルギーとして利用するにはよくないらしい。
これらスウェーデン取材の結果は、鎌仲監督の新作として映画制作がされる見込みとのこと。この日本社会において、希少価値たる鎌仲ひとみ監督。その監督が「持続可能」に映画制作をするため(笑)「六ヶ所村通信」のDVD、みなさん買ってね~ 多くの人に見てもらいたいから1500円と格安料金になりましたよ~ ・・・・と、監督からのメッセージ。
全国での上映会が 430 回を超えた 「六ヶ所村ラプソディー」も、ようやくDVDとして発売される予定とのことで、Amazon.com や 楽天で購入できるようになるとのこと。ブログでの紹介もしやすくなるね~。

「これは一馬力です」 ⇒ 会場(笑)
トークライブ後半、スペシャルゲストとして武蔵野美術大学大学院生の江藤孝治さんが出演。急に目が輝き出す鎌仲監督(笑)。やっぱりこの人は一人より、誰かと一緒にトークしていたほうが本領を発揮できるみたい。
江藤さんの大学卒業制作として作成された映像作品により、岩手県・葛巻町の模様が紹介される。
タカナシなどの牛乳の産地として有名な葛巻町だが、クリーンエネルギーの町としても有名で、年間50万人もの視察者が訪れるという。町は、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電などのクリーンエネルギー発電で180%以上の電力自給率を持つ。

ただ問題点もあり、いくら電力を自前で生み出したとしても、送電線建設、蓄電池導入には莫大な費用がかかるため、作られた電力は東北電力に売られることとなる。しかし、国及び電力会社の方針で売電単価は下がるばかり。また、時間帯によって発電中の風力発電を電力会社の系統連系から切り離す「解列」なるルールもあり、クリーンエネルギーから生み出された電力より、原発から生み出された電力が優先される電力会社の仕組みがあるとのこと。
監督は日本の倒錯した状況にあきれ返っていたが、国の政策と電力会社の意向という、巨大な壁を動かしていかない限り、この国はどうにもならない・・・。
映画「不都合な真実」のエンディングで訴えられていたように、クリーンエネルギーに積極的な政治家を支持するとか、そんな候補者がいなければ自ら立候補するとか、そういった一人一人の民主主義の実践と行動で変えていくしかないんだろうね。人に訴えるとか、社会を変革するとか、そういったことが当たり前に行われる社会であってこそ、本当に民主主義が実践されている社会って言えるんだと思う。

質問コーナー中でスウェーデン人と日本人との一番の違いは何かと問われた監督はこう答えていた。
「スウェーデンの人たちは自分で考えている。人生の豊かさの考え方が違う。」
逆に言えば自分で考えないのが日本人の風潮で、他人任せ。積極的に人生を生きようと思うのなら、当然の帰結として積極的に社会の在り様について考えるはず。情報公開や、自分たち自身のフレキシブルさも監督は訴えていたが、まったくそのとおり。
次回トークライブは8月29日の予定。皆様も会場に足を運び、鎌仲パワーの恩恵にあずかりましょう。
※先週金曜日 PARCafe で行われたトークイベントについては 「鎌仲サポーターブログ組」パクさんの記事もご覧になって下さい!
●6/27 PARCafe 鎌仲監督トークイベント:パクさんブログ
<関連リンク>
●『六ヶ所村ラプソディー』~オフィシャルブログ(鎌仲さんブログ)
<関連過去記事>
●08/05/01 渋谷・アップリンク・ファクトリー 『六ヶ所村通信no.4』 & 鎌仲ひとみトークレポ
●08/03/13 鎌仲ひとみトークイベント 「メディア新世紀開幕vol.2」
●08/01/15 鎌仲ひとみトークイベント 「メディア新世紀開幕」
●最新トレンド映画 『六ヶ所村ラプソディー』
●「世界中に起きているストーリー。人類史に普遍的なストーリ
ー。」 by 坂本龍一
お帰りの際は ポチッと応援 よろしくね~

おまけに新宿の街の情景をパチリ。今はあんまり行くことはないが、昔はなじみの街だった・・・・

歌舞伎町への道

ついでに Naked Loftのメニューも。沖縄料理が中心。

本日のお題は「エコ先進国・スウェーデン帰国報告会」。5/1 渋谷・アップリンク・ファクトリーレポで書いたように、監督は 5月後半からスウェーデン取材に出向き、同月末に帰国。エコ先進国スウェーデンで見たホットな情報が展開される。以下、トークの内容をかいつまんでご紹介。

本日のトークライブは番外編ということで、いつもとは異なり、前半は監督の一人トーク。その分、核兵器にちなんだ現代アートの映像 「OverKilld」 や、エンデの遺言の映像を紹介するなど、お客さんを飽きさせないよう、監督、いろいろと工夫を凝らしていた。
トークライブ最初のキーワードは「持続可能な社会」。スウェーデンで2番目に大きなNGOであるナチュラル・ステップ。そのナチュラル・ステップは、「持続可能な社会の条件」(4つのシステム条件)を提唱し、スウェーデン環境相や首相、地方自治体、産業界に訴えかけ、スウェーデンが環境先進国となる過程において、大きな役割を果たしてきたという。

ナチュラル・ステップが提唱する「4つのシステム条件」とは以下の条件。
(1)自然の中で地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない。
(2)自然の中で人間社会が作り出した物質の濃度が増え続けない
(3)自然が物理的な方法で劣化しない
(4)人々が自らの基本的ニーズを満たそうとする行動を妨げる状況を作り出してはならない
日本においてナチュラル・ステップが活動を開始した時、第一の条件を提示しただけで、当時の日本企業から拒絶されてしまったという。
一方、スウェーデンでは、持続可能な社会条件を提示したNGOの試みが大成功し、国レベルでのエコが進み、現在に至っている。バイオガスを使用したバス、ストックホルム市内の自動車規制、実験都市・ハンマービショスタッド、エコ住宅など、プロジェクターを介して豊富な写真や資料が提示され、エコ先進国の模様が紹介された。

化石燃料に依存しない社会が実現しているスウェーデン
日本に帰国し、ガソリンの高騰に大騒ぎしている社会を目の当たりにする監督。脱化石燃料が進んでいるスウェーデンからしてみれば、今ごろ何を騒いでいるのかと、クビを傾げられるであろうと話す。
ちなみにスウェーデンといえばハノイ・ロックス・・・な~んて言うのは俺やキャプテンだけど(笑)、ABBAの「ダンシング・クイーン」を思い浮かべる人は多いのではないだろうか? そのABBAが、ナチュラル・ステップ普及のために大きな役割を果たしたという。世界中で大ヒットした「ダンシング・クイーン」、今でも日本で大人気曲。「ダンシング・クイーン」の歌と音楽に乗せて、エコを広めていくってのもいいかもしれない。

今回のトークライブは、さながらエコ先進国・スウェーデンのプレゼンテーションといった趣であったが、実際に取材してきただけあって、監督の言葉には説得力があり、観客の関心を惹きつけた。恐らく参加した人々は、翌日から監督と同じように、エコ先進国スウェーデンについて語ることになるだろう。

大と小が分離されたトイレ。混ざるとエネルギーとして利用するにはよくないらしい。
これらスウェーデン取材の結果は、鎌仲監督の新作として映画制作がされる見込みとのこと。この日本社会において、希少価値たる鎌仲ひとみ監督。その監督が「持続可能」に映画制作をするため(笑)「六ヶ所村通信」のDVD、みなさん買ってね~ 多くの人に見てもらいたいから1500円と格安料金になりましたよ~ ・・・・と、監督からのメッセージ。
全国での上映会が 430 回を超えた 「六ヶ所村ラプソディー」も、ようやくDVDとして発売される予定とのことで、Amazon.com や 楽天で購入できるようになるとのこと。ブログでの紹介もしやすくなるね~。

「これは一馬力です」 ⇒ 会場(笑)
トークライブ後半、スペシャルゲストとして武蔵野美術大学大学院生の江藤孝治さんが出演。急に目が輝き出す鎌仲監督(笑)。やっぱりこの人は一人より、誰かと一緒にトークしていたほうが本領を発揮できるみたい。
江藤さんの大学卒業制作として作成された映像作品により、岩手県・葛巻町の模様が紹介される。
タカナシなどの牛乳の産地として有名な葛巻町だが、クリーンエネルギーの町としても有名で、年間50万人もの視察者が訪れるという。町は、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電などのクリーンエネルギー発電で180%以上の電力自給率を持つ。

ただ問題点もあり、いくら電力を自前で生み出したとしても、送電線建設、蓄電池導入には莫大な費用がかかるため、作られた電力は東北電力に売られることとなる。しかし、国及び電力会社の方針で売電単価は下がるばかり。また、時間帯によって発電中の風力発電を電力会社の系統連系から切り離す「解列」なるルールもあり、クリーンエネルギーから生み出された電力より、原発から生み出された電力が優先される電力会社の仕組みがあるとのこと。
監督は日本の倒錯した状況にあきれ返っていたが、国の政策と電力会社の意向という、巨大な壁を動かしていかない限り、この国はどうにもならない・・・。
映画「不都合な真実」のエンディングで訴えられていたように、クリーンエネルギーに積極的な政治家を支持するとか、そんな候補者がいなければ自ら立候補するとか、そういった一人一人の民主主義の実践と行動で変えていくしかないんだろうね。人に訴えるとか、社会を変革するとか、そういったことが当たり前に行われる社会であってこそ、本当に民主主義が実践されている社会って言えるんだと思う。

質問コーナー中でスウェーデン人と日本人との一番の違いは何かと問われた監督はこう答えていた。
「スウェーデンの人たちは自分で考えている。人生の豊かさの考え方が違う。」
逆に言えば自分で考えないのが日本人の風潮で、他人任せ。積極的に人生を生きようと思うのなら、当然の帰結として積極的に社会の在り様について考えるはず。情報公開や、自分たち自身のフレキシブルさも監督は訴えていたが、まったくそのとおり。
次回トークライブは8月29日の予定。皆様も会場に足を運び、鎌仲パワーの恩恵にあずかりましょう。
※先週金曜日 PARCafe で行われたトークイベントについては 「鎌仲サポーターブログ組」パクさんの記事もご覧になって下さい!
●6/27 PARCafe 鎌仲監督トークイベント:パクさんブログ
<関連リンク>
●『六ヶ所村ラプソディー』~オフィシャルブログ(鎌仲さんブログ)
<関連過去記事>
●08/05/01 渋谷・アップリンク・ファクトリー 『六ヶ所村通信no.4』 & 鎌仲ひとみトークレポ
●08/03/13 鎌仲ひとみトークイベント 「メディア新世紀開幕vol.2」
●08/01/15 鎌仲ひとみトークイベント 「メディア新世紀開幕」
●最新トレンド映画 『六ヶ所村ラプソディー』
●「世界中に起きているストーリー。人類史に普遍的なストーリ
ー。」 by 坂本龍一
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おまけに新宿の街の情景をパチリ。今はあんまり行くことはないが、昔はなじみの街だった・・・・

歌舞伎町への道

ついでに Naked Loftのメニューも。沖縄料理が中心。
