
泣いた。何度泣いたからわからない。木曜日、有楽町の有楽座で映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』を観たのだが、はじめから最期まで泣きっぱなしだった。幼少時代の娼婦ティティーヌとの別れ、大道芸人の父にせかされて初めて人前で歌ったシーン、レイモン・アッソに鍛えられた後の復活コンサート(敢えてBGMだけで歌声を聞かせない演出)・・・映画はピアフの生涯を、晩年のピアフと幼少時代からアーティストとして成長していくシーンを交互に描き、展開も早く飽きさせなかった。ラストシーンは晩年のピアフが「水に流して」をコンサートの冒頭で歌うシーンで終わる。「私は何も後悔していない」、そう歌いきるピアフ、素晴らしい歌詞。映画の公式ホームページで聴くことができる。
●リンク:映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』公式サイト
この映画を観て改めて思わされたのだが、「ボーカル」というものは昔からの体一つの極めてシンプルな芸であり、ウケるかウケないか、その評価もまた極めてシンプルなものであるということ。そして「シャンソン」と呼ばれる歌が、人々の生活に密着した生活歌であり、そんな人間の本質に根ざしたシンプルな魅力を再認識させられた。来月自分も再びそんなシンプルな芸の世界で勝負するのだが( 詳細はこちら )、ちょうどいい時にいい映画を観れたと思う。すべてのボーカリストにこの映画をススめる。きっと歌に対する考え方に大きな衝撃を与えてくれることだろう。
映画館を後にし、帰宅後、シャンソンのCDを引っ張り出してエディット・ピアフの歌を聴いた。あらためてピアフを聴き直し、そのボーカルの魅力にハッとさせられる。「愛の讃歌」もいいが、「パダン・パダン」にその魅力が出ているのではないだろうか。
残念ながら多くの映画館で本日金曜日がこの映画の最終上映日となっている。しかし、明日からも上映している映画館もあるため、未見の人は公式サイトで上映館を探して是非観て欲しい。音楽人をテーマとした映画は好きなジャンルだが、この映画、今年のベストN郎♪映画賞の最有力候補だ。ちなみに昨年はボヴ・ディラン「ノー・ディレクション・ホーム」をベストに選んだ。
●過去ログ:カウントダウン2006(映画編)
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