2007年も残すところあと4日。西暦の変わり目に人の行動を合わせる必要はどこにもないが、逆にそれを利用して、今年出合った「表現」を振り返り、昨年末同様にベストを選んでいくというカウントダウンシリーズ、今年もはじめることとする。本日から4日間、映画・ドラマ・ブログ・そしてライブパフォーマンスと4つの部門でベストN郎♪賞を発表していく。今年は詞・曲についての部門はないが、残念ながらそれらの分野について、昨年のようにN郎♪的なベストを選びたくなるほど鮮烈な表現と出会うことはなかった。来年に期待しよう。
●過去ログ:カウントダウン2006
昨年同様、まず映画部門。これは文句なく『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』だろう。
最初から最期まで感動しっ放しの素晴らしい映画であった。この映画を批判している意見を見かけることもあるが、映画鑑賞の目的について、映画の手法を批評することをその目的と思い込んでいるような人の意見は自分にとって何の意味もない。意味あることは、その映画を観て何かしらメリットとなるようものを感じ取ることができたかどうかということであり、そして何をメリットと考えるかは人によって異なるものだ。
前フリはこのぐらいにする。映画を観た時の感想は以前書いた記事を参照していただきたい。
●過去ログ:『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』 すべてのボーカリストにこの映画をススめる
上記記事では「ヴォーカル」について書いたが、今回は「表現」について書く。最初から最期まで名場面の連続のようなこの映画、なかでもラスト近くで、死期近きピアフが父親のことを回想する人形のシーンがある。多くのブログでこのシーンに泣いたという感想が書かれてあったように、絶妙な名シーンであった。
ああいったシーンを描こうと考えた作り手側の発想の根底には「人の心を信じる」とか「人の心を信じたい」というような思いがあるのだと思う。これは表現者にとって最重要なテーマではないかと自分は思うのだ。殺伐とした事件が毎日ニュースを賑わす現代社会の中で、とかく忘れ去られそうなテーマであるが、それ故に逆に表現者が取り組むべき最重要のテーマではないかと思う。
人と人とが接していけば当然のごとくエゴや敵対、裏切りや背信、恨みや妬みなど、ネガティブな感情が生まれ、それによって傷付き、傷付けられ、心を破壊されていく人も多いことだろう。しかしそれでもやはり人の根底には良心があり、その良心を信じるという救いを、この映画は提示してくれたように思う。
ピアフが「愛の讃歌」の歌詞を公園のベンチに座りなが書き記していくシーンがあった。詞は、ただ一人、自分自身に向き合いながら生まれていくものであり、同じように詞を書く者としてこのシーンは心にくるものがあった。同じだ・・・と。人は誰もが孤独な存在であり、その孤独に正面から向き合った時はじめて他者への「愛」や自分自身の「生」の意味を知るのかもしれない。
名シーンを挙げればきりがない映画だったが、これもすべて作り手側の、表現に対するこだわりから生まれた産物だと言えよう。すべてのヴォーカリストにこの映画をススめると前回記事では書いたが、それと同時に、すべての表現者にこの映画をススめる。「表現」とはなにも映画を作ったり歌詞を書いたりすることばかりが「表現」なのではない。ブログを書いたり、手紙を書くことも「表現」であり、人と会話をすることもまた「表現」だと思う。
2007年 映画部門 ベストN郎♪賞 としてこの映画をススメる。まだ公開している劇場、これから公開する劇場もあるため、未観の人は以下のサイトでチェックしていただきたい。トップに掲載したDVDは来年2月に発売予定となっている。
●リンク:映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』公式サイト
(追伸)
この映画についてブログ友ねこねこさんの記事を以下にリンクします。こちらの前回記事も紹介して下さったりしてます。ねこねこさんThanks!!
●リンク:ねこねこさんブログ/「エディット・ピアフ 愛の賛歌」
●リンク:ねこねこさんブログ/愛の讃歌 その2
●過去ログ:カウントダウン2006
昨年同様、まず映画部門。これは文句なく『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』だろう。
![]() | エディット・ピアフ ~愛の讃歌~ (2008/02/22) ジェラール・ドパルデュー、カトリーヌ・アレグレ 他 詳細 |
最初から最期まで感動しっ放しの素晴らしい映画であった。この映画を批判している意見を見かけることもあるが、映画鑑賞の目的について、映画の手法を批評することをその目的と思い込んでいるような人の意見は自分にとって何の意味もない。意味あることは、その映画を観て何かしらメリットとなるようものを感じ取ることができたかどうかということであり、そして何をメリットと考えるかは人によって異なるものだ。
前フリはこのぐらいにする。映画を観た時の感想は以前書いた記事を参照していただきたい。
●過去ログ:『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』 すべてのボーカリストにこの映画をススめる
上記記事では「ヴォーカル」について書いたが、今回は「表現」について書く。最初から最期まで名場面の連続のようなこの映画、なかでもラスト近くで、死期近きピアフが父親のことを回想する人形のシーンがある。多くのブログでこのシーンに泣いたという感想が書かれてあったように、絶妙な名シーンであった。
ああいったシーンを描こうと考えた作り手側の発想の根底には「人の心を信じる」とか「人の心を信じたい」というような思いがあるのだと思う。これは表現者にとって最重要なテーマではないかと自分は思うのだ。殺伐とした事件が毎日ニュースを賑わす現代社会の中で、とかく忘れ去られそうなテーマであるが、それ故に逆に表現者が取り組むべき最重要のテーマではないかと思う。
人と人とが接していけば当然のごとくエゴや敵対、裏切りや背信、恨みや妬みなど、ネガティブな感情が生まれ、それによって傷付き、傷付けられ、心を破壊されていく人も多いことだろう。しかしそれでもやはり人の根底には良心があり、その良心を信じるという救いを、この映画は提示してくれたように思う。
ピアフが「愛の讃歌」の歌詞を公園のベンチに座りなが書き記していくシーンがあった。詞は、ただ一人、自分自身に向き合いながら生まれていくものであり、同じように詞を書く者としてこのシーンは心にくるものがあった。同じだ・・・と。人は誰もが孤独な存在であり、その孤独に正面から向き合った時はじめて他者への「愛」や自分自身の「生」の意味を知るのかもしれない。
名シーンを挙げればきりがない映画だったが、これもすべて作り手側の、表現に対するこだわりから生まれた産物だと言えよう。すべてのヴォーカリストにこの映画をススめると前回記事では書いたが、それと同時に、すべての表現者にこの映画をススめる。「表現」とはなにも映画を作ったり歌詞を書いたりすることばかりが「表現」なのではない。ブログを書いたり、手紙を書くことも「表現」であり、人と会話をすることもまた「表現」だと思う。
2007年 映画部門 ベストN郎♪賞 としてこの映画をススメる。まだ公開している劇場、これから公開する劇場もあるため、未観の人は以下のサイトでチェックしていただきたい。トップに掲載したDVDは来年2月に発売予定となっている。
●リンク:映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』公式サイト
(追伸)
この映画についてブログ友ねこねこさんの記事を以下にリンクします。こちらの前回記事も紹介して下さったりしてます。ねこねこさんThanks!!
●リンク:ねこねこさんブログ/「エディット・ピアフ 愛の賛歌」
●リンク:ねこねこさんブログ/愛の讃歌 その2
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