前回記事にて紹介した新オリエント楽派ライブ、夜の部に足を運ぶ。強風のためJRダイヤが大幅に乱れ、開演には少し遅れて到着。50名程のキャパを持つ会場・音や金時は既に満席で、圧倒的に女性客が多く、その人気の高さにあらためて驚嘆する。
●リンク:ライブハウス 音や金時
さてコンサートの感想だが、音楽的感想については桜子さんの記事にて詳細なコメントがされているため、そちらを是非ご参照いただきたい。すべてのパートについてコメントがされていて、音楽的含蓄の深さが勉強になる。
●リンク:桜子さんブログ ちょうどよい空間

音や金時は満席。観客はPAを介さない生演奏に酔いしれた。
N郎♪的視点で特筆すべき点をコメントをすると、まずは大平のボーカル以外はPAを使わなかったこと。クラシックとはあまり縁がなく、普段PAを使うライブばかりに行っている自分にとって、かなり新鮮であった。観客の一人一人が息を殺して演奏を聞くといった感じで、生音の一音一音に耳をそばだてていた。自分は最後列にいたため、大平のサズが聞き取りにくい部分もあったが、前方で聴かれた方は圧倒的な生音の素晴らしさに、より感動を深めたことだろう。

ズルナ演奏中の笠松さん(左)、室屋さん(右)
笠松さんのMCは楽しかった。変拍子の解説を行っていたのだが、西洋音楽では2拍子と3拍子に分解される5拍子の説明を、日本のお経を例にとりながらわかりやすく解説し、好奇心がそそられた。朴訥と演奏を進め大平とはいい組み合わせだと思う。
演奏の中で一番目立っていたのはやはり室屋さんのバイオリン。桜子さん言うところの”遊び”的要素が音楽パフォーマンスとして面白く、隣で観ていたケンケンも感激。普段ロックギターのパフォーマンスを見慣れている者にとって、似たようなパフォーマンスを他の楽器でやられると、それまでの常識が破られた分、その衝撃は大きい。

大平さん(中央)、広瀬さん(左後)、萱谷さん(右後)、
本編最後から2曲目、室屋さん作曲の「一輪の花」がコンサートのハイライトであった。アルバム「東への旅」の解説の中で書かれているように”高速変拍子”の生演奏に観衆は釘付けとなる。難易度の高い合奏が見事に終了したその瞬間の、演者全員の笑みが、観客の満足感に花を添えて、会場は大いなる拍手に包まれた。
「オリエンタルな民族楽器とモダンな楽器が出会う時、想像を超えた融合が始まる」 HPに掲載されているそのキャッチフレーズどおり、満員の観客は想像を超えた融合と素晴らしい演奏に酔いしれ、アンコールを含めた全演奏を満喫した。
演奏曲リスト
1. アラビアンナイトのテーマ
2. ガラスの下で
3. 我が心の翼
4. 狼と月
5. 月への序曲
6. 即興曲
7. 人と月
(休憩)
8. カツィベラ
9. マグレブの踊り(新曲・笠松さん作曲)
10. 遥かなる想い、海を越えて
11. カラマティアノス
12. ハライ
13. 金色のカフタン
14. 一輪の花
15. アマン、お前は歌人
アンコール
16. エジェネ・エジェム・グルバン
ステージ終了後、演者とお客さん、お客さんどおしの交流がライブハウスならではの楽しみ。個人的には1月の奇聞屋ライブで知った常連のお客様にご挨拶ができて、笑顔でこたえてもらったことがとても嬉しかった。
「新オリエント楽派」誕生秘話
自分にしろ、隣で観ていたケンケンにしろ、学生時代から大平と付き合いがあり、本場トルコでサズを極めて帰国してからも、ソロ演奏会には何度か出向いたことはあった。しかし新オリエント楽派というグループについては、その成り立ちからしてほとんど無学であった。
交流の中、今回幸いにも、新オリエント楽派の仕掛け人・笠松さんからその成り立ちについて貴重な話しを聞くことが出来た。
大平と笠松さんとの出会いは 2001年 にさかのぼる。当時、笠松さんは今回会場となった音や金時のスケジュール表をみて、日本にサズの演奏者がいるのか!!・・・そう驚いたという。笠松さんは 2000年にトルコ旅行に出かけ、強烈なイメージを受けていたのだ。
そしてスケジュール表で見たサズ奏者の演奏がどの程度のものなのかと、大平の演奏がある日、音や金時へと足を運んだ。8月14日のちょうどお盆真っ最中で、しかもその日は台風という、集客には最悪の日であった。
笠松さんが音や金時に入ると、お客さんは一人もおらず。大平も、誰も来ないから今日の演奏はなしかと思っていたという。
お客さん(笠松さん)が来たので大平は演奏を始め、きっちりと2回公演を行った。そしてその演奏を直近で見た笠松さんは・・・トルコで見た演奏者よりウマい!!と、大平の演奏力に驚嘆した。
演奏終了後、他にお客さんが一人も来なかったがことが幸いして二人は話し込み、2004年新オリエント楽派結成への布石が敷かれることとなる。
2003年から 3年に及んだ王子ホール委託作品 『エレクトラ 3部作』 を経て、新オリエント楽派は結成された。当初、大平・室屋・萱谷の3名構成で始まり、笠松さんは作曲としてかかわっていた。
大平の記録によると初ライブは 2005年1月23日。『エレクトラのメンバーがトリオを結成!~古代エーゲ海への想い・東地中海の伝統へ~』というタイトルで公演し、お客さんは 15名程度であったという。
その後、笠松さん自身もオーボエとして演奏に加わり、後に広瀬さんも加わった。昨年10月にはムジカーザ・コンサートライブが行われ、100名を超えるお客さんが集まり、同時に待望のファーストアルバム 「東への旅」 もリリースされた。
ムジカーザ・コンサートライブ終了までの道のりは、笠松さんのHPに掲載されている 「オリエント通信」 を参照していただきたい。
●リンク:笠松泰洋さんHP Yasuhiro Kasamatsu Official Web Site
そしてこの日、新オリエント楽派の歴史を重ねてきた音や金時にて、ムジカーザ以来4ヶ月ぶりのライブが行われた。
演奏者一人、客一人という、笠松さんと大平とが出会ったその同じライブハウスで、昼夜二回の公演を行い、満員のお客さんの拍手を受けながら演奏会を終えることが出来たということは、笠松さんにとっても、大平にとっても感慨深いものがあったに違いない。室屋さん、萱谷さん、広瀬さんの笑みからも、この日の演奏会を無事終えることが出来た達成感が伝わってきた。
そして新オリエント楽派を支持し続け、メンバーの演奏会に通い続けながら、新オリエント楽派としてのライブを待ち焦がれてきたお客さんにとっても最高の日となったことは間違いない。
「世界を股にかけるバンド」を標榜し、次回のライブは同じ会場 音や金時にて4月20日(日)に行われる。
関連過去ログ
●新オリエント楽派 「東への旅」
●1/26 西荻窪・奇聞屋 トルコ&ギリシアの伝統曲と創作オリエント音楽 ~ 大平清&橘美果ライブレポ
●11/4 トルコの伝統楽器とVOICE~福岡ユタカの世界 at 川越あけぼのホール
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●リンク:ライブハウス 音や金時
さてコンサートの感想だが、音楽的感想については桜子さんの記事にて詳細なコメントがされているため、そちらを是非ご参照いただきたい。すべてのパートについてコメントがされていて、音楽的含蓄の深さが勉強になる。
●リンク:桜子さんブログ ちょうどよい空間

音や金時は満席。観客はPAを介さない生演奏に酔いしれた。
N郎♪的視点で特筆すべき点をコメントをすると、まずは大平のボーカル以外はPAを使わなかったこと。クラシックとはあまり縁がなく、普段PAを使うライブばかりに行っている自分にとって、かなり新鮮であった。観客の一人一人が息を殺して演奏を聞くといった感じで、生音の一音一音に耳をそばだてていた。自分は最後列にいたため、大平のサズが聞き取りにくい部分もあったが、前方で聴かれた方は圧倒的な生音の素晴らしさに、より感動を深めたことだろう。

ズルナ演奏中の笠松さん(左)、室屋さん(右)
笠松さんのMCは楽しかった。変拍子の解説を行っていたのだが、西洋音楽では2拍子と3拍子に分解される5拍子の説明を、日本のお経を例にとりながらわかりやすく解説し、好奇心がそそられた。朴訥と演奏を進め大平とはいい組み合わせだと思う。
演奏の中で一番目立っていたのはやはり室屋さんのバイオリン。桜子さん言うところの”遊び”的要素が音楽パフォーマンスとして面白く、隣で観ていたケンケンも感激。普段ロックギターのパフォーマンスを見慣れている者にとって、似たようなパフォーマンスを他の楽器でやられると、それまでの常識が破られた分、その衝撃は大きい。

大平さん(中央)、広瀬さん(左後)、萱谷さん(右後)、
本編最後から2曲目、室屋さん作曲の「一輪の花」がコンサートのハイライトであった。アルバム「東への旅」の解説の中で書かれているように”高速変拍子”の生演奏に観衆は釘付けとなる。難易度の高い合奏が見事に終了したその瞬間の、演者全員の笑みが、観客の満足感に花を添えて、会場は大いなる拍手に包まれた。
「オリエンタルな民族楽器とモダンな楽器が出会う時、想像を超えた融合が始まる」 HPに掲載されているそのキャッチフレーズどおり、満員の観客は想像を超えた融合と素晴らしい演奏に酔いしれ、アンコールを含めた全演奏を満喫した。
演奏曲リスト
1. アラビアンナイトのテーマ
2. ガラスの下で
3. 我が心の翼
4. 狼と月
5. 月への序曲
6. 即興曲
7. 人と月
(休憩)
8. カツィベラ
9. マグレブの踊り(新曲・笠松さん作曲)
10. 遥かなる想い、海を越えて
11. カラマティアノス
12. ハライ
13. 金色のカフタン
14. 一輪の花
15. アマン、お前は歌人
アンコール
16. エジェネ・エジェム・グルバン
ステージ終了後、演者とお客さん、お客さんどおしの交流がライブハウスならではの楽しみ。個人的には1月の奇聞屋ライブで知った常連のお客様にご挨拶ができて、笑顔でこたえてもらったことがとても嬉しかった。
「新オリエント楽派」誕生秘話
自分にしろ、隣で観ていたケンケンにしろ、学生時代から大平と付き合いがあり、本場トルコでサズを極めて帰国してからも、ソロ演奏会には何度か出向いたことはあった。しかし新オリエント楽派というグループについては、その成り立ちからしてほとんど無学であった。
交流の中、今回幸いにも、新オリエント楽派の仕掛け人・笠松さんからその成り立ちについて貴重な話しを聞くことが出来た。
大平と笠松さんとの出会いは 2001年 にさかのぼる。当時、笠松さんは今回会場となった音や金時のスケジュール表をみて、日本にサズの演奏者がいるのか!!・・・そう驚いたという。笠松さんは 2000年にトルコ旅行に出かけ、強烈なイメージを受けていたのだ。
そしてスケジュール表で見たサズ奏者の演奏がどの程度のものなのかと、大平の演奏がある日、音や金時へと足を運んだ。8月14日のちょうどお盆真っ最中で、しかもその日は台風という、集客には最悪の日であった。
笠松さんが音や金時に入ると、お客さんは一人もおらず。大平も、誰も来ないから今日の演奏はなしかと思っていたという。
お客さん(笠松さん)が来たので大平は演奏を始め、きっちりと2回公演を行った。そしてその演奏を直近で見た笠松さんは・・・トルコで見た演奏者よりウマい!!と、大平の演奏力に驚嘆した。
演奏終了後、他にお客さんが一人も来なかったがことが幸いして二人は話し込み、2004年新オリエント楽派結成への布石が敷かれることとなる。
2003年から 3年に及んだ王子ホール委託作品 『エレクトラ 3部作』 を経て、新オリエント楽派は結成された。当初、大平・室屋・萱谷の3名構成で始まり、笠松さんは作曲としてかかわっていた。
大平の記録によると初ライブは 2005年1月23日。『エレクトラのメンバーがトリオを結成!~古代エーゲ海への想い・東地中海の伝統へ~』というタイトルで公演し、お客さんは 15名程度であったという。
その後、笠松さん自身もオーボエとして演奏に加わり、後に広瀬さんも加わった。昨年10月にはムジカーザ・コンサートライブが行われ、100名を超えるお客さんが集まり、同時に待望のファーストアルバム 「東への旅」 もリリースされた。
ムジカーザ・コンサートライブ終了までの道のりは、笠松さんのHPに掲載されている 「オリエント通信」 を参照していただきたい。
●リンク:笠松泰洋さんHP Yasuhiro Kasamatsu Official Web Site
そしてこの日、新オリエント楽派の歴史を重ねてきた音や金時にて、ムジカーザ以来4ヶ月ぶりのライブが行われた。
演奏者一人、客一人という、笠松さんと大平とが出会ったその同じライブハウスで、昼夜二回の公演を行い、満員のお客さんの拍手を受けながら演奏会を終えることが出来たということは、笠松さんにとっても、大平にとっても感慨深いものがあったに違いない。室屋さん、萱谷さん、広瀬さんの笑みからも、この日の演奏会を無事終えることが出来た達成感が伝わってきた。
そして新オリエント楽派を支持し続け、メンバーの演奏会に通い続けながら、新オリエント楽派としてのライブを待ち焦がれてきたお客さんにとっても最高の日となったことは間違いない。
「世界を股にかけるバンド」を標榜し、次回のライブは同じ会場 音や金時にて4月20日(日)に行われる。
関連過去ログ
●新オリエント楽派 「東への旅」
●1/26 西荻窪・奇聞屋 トルコ&ギリシアの伝統曲と創作オリエント音楽 ~ 大平清&橘美果ライブレポ
●11/4 トルコの伝統楽器とVOICE~福岡ユタカの世界 at 川越あけぼのホール
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