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「好き」と「ねばならない」 | main | ジョン・レノンが殺された意味(12) Wikipedia 日本語版の不可解な記述 1
ジョン・レノンが殺された意味(13) Wikipedia 日本語版の不可解な記述 2
(前回からの続き)

レノン殺害についてこれまで数冊の本を読んできたのだが、その後、改めてWikipedia 日本版の記述を見てみると、首を傾げざるおえないような記述が掲載されていることに気付く。以下がその不可解な箇所であり、いずれもマーク・チャップマンに関する説明だ。

1.”ハワイ・ホノルル出身”
2.”ボブ・ディランに対するストーキング行為”
3.”1975年のスタジオ・ライヴでは観客席にその姿を見せている”
4.”「マーク・チャップマンの単独殺害」として結論づけられている”

●参照元:Wikipedia 日本語版 ジョン・レノン-殺害

1について、チャップマンは当時ハワイに住んでいたが、ハワイには事件発生の年の3年前にあたる1977年から住み始めたのであり、出身地ではない。彼の生まれた場所はテキサス州であり、また、出身地ともいうべきなじみの土地はジョージア州アトランタだ。「ハワイ・ホノルル出身」という記述は事実誤認であろう。

2の「ボブ・ディランに対するストーキング行為」について、チャップマンの生きてきた軌跡を丹念に追ったジャック・ジョーンズの著書『ジョン・レノンを殺した男』、そしてCIA関与説として最も有名なフェントン・ブレスラーの著書『誰がジョン・レノンを殺したか』のどちらにも記載されてはいない。そのような事実が実際にあったのかどうかネットで調べてみたのだが、見つけることはできなかった。Wikipedia 英語版のレノン及びチャップマンに関する記述にも見つけることはできなかった。

●リンク:Wikipedia 英語版 マーク・チャップマン

米国で発生した事件にも関わらず、英語版のWikipedia にも書かれていないことが日本語版に書かれているということ自体、その記述の信憑性に首を傾げざるおえない。3についても同様だ。それらの事実があったとすればブレスラーやジョーンズはその著作で言及していることであろう。

もしかしたら2や3のような話は、過去に何らかの記事に掲載されていたのかもしれない。チャップマンについては、レノン殺害当時から、事実ではない多くの誤報がメディアを通して広まっていた。確認するすべはないが、2や3についてもそれらの誤報の一つではないかと思う。

1のような事実誤認や、2や3のような誤報と思われる情報については混乱した情報が精査されないまま残り続けた結果としてまだ釈明の余地はあるのかもしれない。しかし、”「マーク・チャップマンの単独殺害」として結論づけられている”というような4の記述については、たとえその後に”(しかしオノや息子ショーン、先妻との息子ジュリアンはそれを信用していないといわれている)”と記載されていたとしても、あまりに杜撰で不注意な記述と言わざるおえない。単に書いた人が勝手にそう結論づけているという解釈しかできないのだ。何故ならば単独殺害として結論づけられているという記述には主語がないのだ。一体誰が単独犯として結論づけたのか、驚くべきことに「誰」にあたる部分の記述がまったくないのだ。事実関係からしてもおかしい。チャップマンがレノンを殺害したのは1980年であり、チャップマンの裁判は翌年1981年に行われ、その刑が確定している。そしてCIA関与説でもっとも有名なフェントン・ブレスラーの著作が刊行されたのは1989年であり、裁判の後に数年経過して出版されているのである。ブレスラーのその見解に対して結論が出たなどという話は聞いたことがない。Wikipedia 日本語版の記述だと、ブレスラーの著作自体がこの世に存在していないような扱いなのだ。

同様にWikipedia 日本語版におけるマーク・チャップマンのページについても以下のように不可解で論理的とはいえない記述がされている。文章の前後関係を考えて読むと、文意がすり変わっていることに気づく。

”犯行当時、熱狂的なファンであると報じられ、世界的にその報道が定着してしまったが、さまざまな疑問が語られている。ジョン・F・ケネディ大統領に語られるような陰謀的暗殺説、CIAの関与した催眠術説などがあるが、現在は彼の単独犯行であると結論付けられた。”

●引用元:Wikipedia 日本語 マーク・チャップマン

では、英語版のWikipediaでは一体どう記述されているのか? ジョン・レノンのページについて当然のことながら、日本語版に記載されているような”単独犯行として結論づけられている”などという大きな反発と議論を呼ぶであろう記述はされてはいない。そこにはあくまでも事実が記載されているのみであり、日本語版に見られるような、顔の見えない誰かしらの不可解な見解などは掲載されてはいないのだ。

●リンク:Wikipedia 英語版 ジョン・レノン

そしてジャック・ジョーンズの著書を元にしていると思われる英語版のチャップマンのページでは、ブレスラーの説についても言及がされている。英語版のレノンのページについても、参考文献としてブレスラーの著作が掲載されている。


前回の話に関連することであるが、例えば「N郎♪」が自分のブログでレノン殺害にはCIAが絡んでいると結論付けた場合、それを読んだ人は「N郎♪」という人がそう考えていると理解するであろう。しかし、文責が誰か定かではなく、いかにも客観性を装っているように記述されているWikipediaについてはそういうわけにはいかないのだ。特に事実と顔の見えぬ誰かしらの見解が、ごちゃまぜに掲載されている日本語版Wikipediaについては要注意であり、参照する人は常にそのことに頭にいれておくべきだ。もちろんそのような記述を見つけたらWikipediaに反論を寄せたり、記述自体の修正をすればよいのだろう。しかし、それが出来る人はそれだけの時間がある人に限られている・・・・やはりおかしい。


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| ジョン・レノンが殺された意味 | 01:01 | トラックバック:0コメント:2
コメント
判断材料は複数で!
本当に、読めば読む程、相違点ありますね。
私的にも結構、調べものの時などに、Wikipediaが
引っ掛かるので参考にしてましたが、気を付けねば!
やはり、物事の真相を知るには、しっかり多角的に
調べねばと改めて考えさせられましたm(_ _)m
2007.07.11 Wed 09:58 | URL | saruninko
Re:判断材料は複数で!
おっしゃるとおりです。ネットはいろいろ落とし穴があったりするからなおさらですね。これは実感です(笑)
2007.07.15 Sun 07:12 | URL | N郎♪
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